ヨガを極める㉑

スシュムナーナディーの目覚め

スシュムナーナディー

スシュムナーは、すべてのナディーの中で最も重要です。それは宇宙の維持者で、宇宙への道で、そして救済の道です。それは微細で、見ることはできません。スシュムナーは、脊髄もしくは脊柱の中心に沿ってあります。

スシュムナーは異なったエネルギーの運び手、もしくは管理人です。スシュムナーにおいて目覚めが始まると、素晴らしエネルギーが解放されます。その導き手がスシュムナーです。

<Point1>
私たちの生活に大きな影響を及ぼすプラーナ(生命エネルギー)を良い状態にするためには、ナディーを浄化することが必須です。ある教典では、ナディーは72,000あると言われ、また別の経典ではそれ以上のナディーが示されています。しかし、いずれにしても数多く存在するナディーの中で、3つが重要です。そして、その中でもスシュムナーナディーが最も重要です。

 

規則に従って、ムドラーやバンダとともに、呼吸の保持の訓練がされるときスシュムナーが目覚め始めます。Hatha Yoga Pradipikaでは「スシュムナーがプラーナの道となり、心はすべてのつながりから自由になり、そして死が防がれる。」と述べられています。スシュムナーの目覚めはハタヨガでは最も重要だと考えます。

ナディーの浄化

ナディーの浄化は、ヨガの初期段階で重要です。もし、ナディーに不純物があるとクンダリーニの上昇が遅くなります。ナディーの清浄は、クンダリーニの上昇を促進します。

プラーナーヤーマは、ナディーの急速な浄化をもたらします。それはヨガの基礎で、ヨガの最初の部分です。ハタヨガでは、プラーナーヤーマは最も重要な技術として位置づけられます。

<Point1>
ハタヨガの訓練の初期段階では、ナディーの浄化を行います。そのために、シャットカルマ、アーサナ、そしてプラーナーヤーマの技術が利用されます。プラーナーヤーマは最も有効ですが、それはシャットカルマとアーサナにより身体を一定レベルまで浄化した後に行うべきです。

 

プラーナーヤーマの訓練は、体系的に行うことが大切です。いきなり本格的なものから始めるのではなく、準備的なプラーナーヤーマから徐々に訓練を進めていきましょう。

<Point2>
プラーナーヤーマには、大きく分けて2つのカテゴリーがあります。1つは準備的なプラーナーヤーマ、そして、もう1つは本格的なプラーナーヤーマです。通常、プラーナーヤーマと言うと、本格的なものを指すことが多いでしょう。

プラーナーヤーマを実践するときに注意しなければならないのは、いきなり本格的なプラーナーヤーマを行わないことです。まずは準備的なものから始め、呼吸器機能が十分整ってから本格的なプラーナーヤーマへ進みます。

ヨガによる神経系への効果

ハタヨガの主な目的は、プラーナと心の力の完全な調和です。この調和が達成されたとき、生み出された刺激がスシュムナーナディーへ目覚めを与えます。

<Point1>
プラーナと心の力の調和とは、イダーナディーとピンガラーナディーの調和と言い換えることができます。したがって、スシュムナーナディーを目覚めさせるためには、イダーとピンガラーナディーの浄化が必要です。

 

スシュムナーナディーは、中枢神経系に関係します。もし清浄、平安、調和、そして強さが神経系で優勢なとき、精神的な中心が目覚めます。スシュムナーは、この目覚めたプラーナの力が流れる通路です。最終的に、それは脳の最も高い地点に到達します。これが身体におけるクンダリーニの目覚めの簡単な説明です。

<Point2>
スシュムナーナディーが中枢神経系に関係する一方で、イダーナディーとピンガラーナディーは自律神経系に関係します。

 

身体は浄化されなければなりません。それは毒素がない状態でなければなりません。エネルギーの目覚めは、ムーラーダーラチャクラで行われます。

その力は、どのように脳の高次の中心へ導かれるのでしょう。その特別な通路は、人間の身体にすでに存在しています。しかし、それは機能していません。ハタヨガの訓練はその通路が働くようにします。クンダリーニの目覚めの前に最も重要なことは、この通路を目覚めさせることです。

<Point2>
クンダリーニの通路は、イダーナディーやピンガラーナディーではなく、スシュムナーナディーです。したがって、クンダリーニの上昇の前に、スシュムナーナディーの目覚めが不可欠です。

 

Swami Sivanandaの本で、まずはスシュムナーの目覚め、そしてクンダリーニと述べられています。もし良い車を持っていたとしても、道がなければどうなるでしょう。クンダリーニが目覚めても、スシュムナーが働いていなければ、その力はどの道を通るのでしょう。

プラーナーヤーマは、スシュムナーを目覚めさせるためのものです。主要なアーサナの訓練もまたスシュムナーを目覚めさせるためのものです。

タントラの本において、ある概念が示されています。それは、チャクラの浄化と要素の浄化について言及しています。それは、ナディーの浄化、身体における要素の浄化、そしてプラーナの浄化を意味します。

チャクラの浄化は必要です。さもなければ交通渋滞が起こるでしょう。チャクラは、アーサナの訓練を通して純化されなければなりません。Bhujangasana(コブラ)、shalabhasana(バッタ)、そしてdhanurasana(弓)は、すべてマニピューラチャクラを浄化します。同じように、ナディーとチャクラを浄化する25から30のアーサナが重要です。

プラーナーヤーマの訓練がなされるとき、またバンダの指示が与えられるでしょう。それは呼吸の保持と同時に行われるべきです。呼吸の保持がなされたとき、大きな変化が身体の様々な面でエネルギーレベルにおいて起こります。

<Point3>
ハタヨガの訓練において、身体、ナディー、プラーナ、そしてチャクラの浄化が行われます。ナディーとチャクラは、プラーナに関係します。したがって、ハタヨガでは、アーサナとプラーナーヤーマなどにより、身体とプラーナの浄化を行っていきます。

 

したがって、ハタヨガの本当の目的は、身体を構築し健康になることではなく、人間の意識の進化のための高次の中心に力を与え、そして目覚めさせることです。もし、ハタヨガがこの目的のために使われないなら、その本当の目標は失われます。

<Point4>
ハタヨガの訓練を通して健康になります。しかし、それが目的ではありません。ハタヨガの本当の目的は、高次意識の開発と目覚めであると言うことができます。

スシュムナーを目覚めさせる方法

イダーとピンガラーの2つの力が活発になると、スシュムナーの第3の通路が目覚めます。2つの異なった力が調和した時、第3の力が目覚めることは実際のことです。身体と心が結びつくとき、第3の力が生じます。この力はスシュムナーと呼ばれ、精神的なエネルギーです。

イダーは負の電荷、ピンガラーは正の電荷、そしてスシュムナーは中性です。イダーとピンガラーが心と身体のエネルギーを導く一方で、スシュムナーは宇宙のエネルギーの高次の形態を管理します。プラーナと心のエネルギーは有限ですが、スシュムナーのエネルギーは無限です。

スシュムナーが働いているとき、呼吸は両鼻を通して同時に流れます。通常これは左右の呼吸の流れの優位性が変わるときの数分間だけおこります。プラーナーヤーマや瞑想の訓練の後に、スシュムナーは流れます。スシュムナーが流れるとき、脳全体が機能します。イダーとピンガラーが流れるときは、脳の半分だけが活動します。

<Point1>
スシュムナーナディー、そしてイダーとピンガラーナディーが働いているかどうかは、鼻孔での空気の流れにより判断することができます。これはSwara Yogaと呼ばれています。

 

スシュムナーの時間において、身体と心は同時に働き、そしてとても強力になります。平静と堅実の感覚が生まれ、瞑想状態が自然に達成されます。スシュムナーの流れは、いかなる訓練において最も望ましいものだと考えられます。スシュムナーは、すべてのレベルにおいて統合と調和を示します。

人間の進化は、身体の完全な健康と同じ程度に、プラーナの力の目覚めによります。すべてのヨガの訓練は、プラーナを浄化します。しかし、プラーナーヤーマはこれらの中で第1のものだと考えられます。

プラーナの目覚めは、ナディーが定期的に、リズミカルに、そして継続的に流れ、呼吸が障害なく快適なときにもたらされます。この段階はプラーナ、特にイダーとピンガラーの目覚めとして知られています。

イダーとピンガラーの目覚めが起こると、スシュムナーが目覚めます。この目覚めはプラーナーヤーマ、クリヤーヨガ、そしてクンダリーニヨガにおいて最も重要です。プラーナーヤーマは実際、プラーナの場が拡大するにつれて、スシュムナーの目覚めとともに始まります。

<Point2>
スシュムナーの目覚めは、段階的に達成されます。まずはシャットカルマやアーサナにより身体を浄化していきます。次に、プラーナの浄化へ進みます。プラーナの浄化は、イダーナディーとピンガラーナディーの浄化に関係します。そのためにプラーナーヤーマの訓練が特に効果的です。最終的に、スシュムナーの目覚めが起こります。

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