ヨガを極める⑤

ヨガにおける意識の転換

アーサナとプラナーヤーマの訓練は、身体、心と感情を再教育します。訓練者は身体、心、そしてエネルギーを結び付けなければなりません。通常、私たちは身体といった目に見えるものだけに関心があり、心やエネルギー(プラーナ)といった目に見えないものに注意を払うことはほとんどありません。しかし、私たちの人生に大きな影響を及ぼすのは、身体よりも、心やエネルギーといった微細なレベルです。

身体は物質だけでできているのではありません。身体はエネルギーと意識を含みます。それを経験するには、私たちの存在の基本的な性質の変換が行われなければなりません。アーサナとプラーナーヤーマの訓練により、粗大な身体からより微細なものへとアプローチしていき存在全体を変換していきます。

肉体や物質といった粗大なものから、心や精神といった微細なものへ、そして、そこから超越へと、これがヨガの目的です。

<Point1>
”普段の私たちは、目に見えるものだけに意識を向けて生活しています。心やプラーナといった目に見えないものにはほとんど関心がありません。しかし、ヨガでは、身体よりも、より微細な心やプラーナを重視します。なぜなら、それは意識の開発のために必要だからです。”

ヨガにおける完成とは?

ヨガの究極の目的は、完成の経験を得ることです。ある人はそれを進化と呼び、またある人は、それを悟りと呼びます。それは完全な経験でなく、完成のちょっとした感覚でもかまいません。

ヨガで最も重要なのは実践です。なぜなら完成の経験は、実践を通してでしか得ることはできないからです。いくらたくさんの経典を読んでも、いくらたくさんの知識を蓄えても、それはヨガではありません。

ヨガのクラスに参加するなどし、ヨガを実践することで、自分の身体の変化、心の変化に気づきます。その気づきがヨガの始まりです。気づきを得ることで、本当のあなた自身を知る機会を得ることができます。

<Point1>
”ヨガの完成の意味は様々です。仏教における悟りと言うこともできます。そして、パタンジャリの8支分では、サマーディ(三昧)と言う言葉があります。それは通常の意識状態をはるかに越えたところを示します。それは人間という存在における完成です。”

ヨガの効果と利益

ヨガによる身体と心への影響

ハタヨガによって完全な肉体を得ることができます。ハタヨガの身体は完全で強固です。そして、心もまた強固です。その状態で、ダーラナとディヤーナの訓練をすれば、ヨガの最高段階に達します。

ハタヨガの訓練としては、最初に身体に関係するシャットカルマとアーサナから始めます。そして、次の段階としてプラーナーヤーマ、さらにダーラナ、ディヤーナと続いていきます。この順番を守ることはとても大切です。最初から高度な訓練を行ってもあまり意味はありません。基礎的な訓練にしっかり時間をかけることで、実はそれが一番の近道になります。急がば回れ!

<Point1>
”ヨガによる効果を最大限にするためには、決まったプロセスに沿って、正しく様々なヨガの技術を実践していくことが必須です。ハタヨガでは、シャットカルマとアーサナから始め、身体が浄化され、柔軟に強くなれば、次のステップとして、プラーナーヤーマを実践していきます。自分のレベルに合った技術を選び、それを正しく実践していくことが、ヨガの効果、そしてヨガからの利益を獲得する最も効率的な方法です。”

 

身体は、心と密接に関係しています。弱い身体はまた弱い心を意味します。身体は私たちを目的地へ連れて行ってくれる道具です。身体は自己実現のための重要なツールです。したがって、それは清潔で、強く、そして健康に保たなければなりません。

ヨガにおける最終的な目的は心の部分ですが、身体もとても大切なものです。しかし、身体はあくまでも手段です。手段と目的を間違えていては、いつまでたってもヨギーニ、もしくはヨギーとは呼べません。

<Point2>
”ヨガを実践する上で、理解しなければならない大切なことが、身体と心に関してです。ヨガの目的は心の部分にあります。しかし、ハタヨガでは、シャットカルマとアーサナにより、身体から訓練を始めます。ハタヨガでは身体から始めますが、あくまでも目的は心にあることを忘れてはいけません。”

ヨガにおける身体の弱さ

ハタヨガの訓練は、ヨガの進歩における基礎を形作ります。ハタヨガの訓練により身体は強くなります。しかし、それは必要不可欠なものではありません。強い身体は有利ですが、弱い身体が必ず不利になるわけではありません。

ハタヨガの訓練なしに、ヨガを完成したという歴史的な事実があります。それでも、誰もがアーサナの訓練を定期的に行うべきでしょう。老若男女問わず、病気でも、身体が弱くても、ヨガの訓練を根気強く行えば成功するでしょう。

<Point1>
”ヨガにおいて、アーサナを実践する目的は、柔軟で強い身体を作ることです。しかし、身体が柔軟でなくても、また身体が強くなくても、ヨガを完成させることは可能です。なぜなら、ヨガの目的は身体ではなく、心にあるからです。ヨガで重要なのはアーサナというよりもむしろプラーナーヤーマや瞑想になります。”

 

アーサナ(ポーズ)の訓練を行うときに、多くの人が間違ってしまうのは、いきなり完璧なポーズをしようとすることです。それは怪我につながります。大切なのは、自分自身の身体の状況を理解し、正しくアーサナを行うことです。完璧である必要はありません。

ヨガインストラクターで、生徒の方に完璧なアーサナを指導しようとする人がいます。それは間違っています。正しいアーサナと完璧なアーサナの違いをしっかり理解して、実践または指導をしなければなりません。

<Point2>
”アーサナを実践するとき、またヨガインストラクターとしてアーサナを指導するときに、とても大切なことは、一つ一つのアーサナを正しく行うことです。なぜなら、ひとりひとりの身体は違っているからです。初心者の方に、完璧なアーサナ(姿勢)を求めることは間違っています。その人に合った形を作ることが肝要です。”

ヨガの身体と心への効果

ハタヨガは、どのように身体と心の利益となるのでしょうか。

ハタヨガの訓練は、生命力を増やすことで細胞の崩壊を少なく、そして無くします。それは豊富なエネルギーで身体のシステムを満たします。ハタヨガの訓練でプラーナの力が強くなることは最も重要な効果と言えるでしょう。

ハタヨガの訓練により、血液は十分な酸素が供給され、静脈の滞留を止め、脳と脊柱の中心が蘇ります。加えて、心が強くなり、記憶力が良くなります。さらに知性が研ぎ澄まされ、直観力が開発されます。

このようにハタヨガを定期的に正しく訓練することで、身体、プラーナ、そしてメンタルの部分にも素晴らしい効果が期待できます。

<Point1>
”ヨガを実践することによる効果として、一般的に美容や健康といった身体に関するものが期待されます。しかし、その素晴らしい効果は、身体の面ではなく、プラーナと心の面にあります。”

ヨガの訓練

人間の身体には大きな可能性があります。その可能性を発揮するのを助ける様々なヨガのシステムがあります。そして最も重要なのが、ハタヨガです。ハタヨガが身体と心の健康を開発し、そして維持するためにデザインされた高度に進化したシステムであることは疑いようがありません。

ハタヨガは、交感神経と副交感神経を調和させるために身体の姿勢と呼吸を利用します。アーサナは単なる肉体的なエクササイズではありません。それらはある一定時間保持されるべきです。

一般的なエクササイズと違うアーサナの訓練の特徴として、身体の動きを止めて一定時間保持することを行います。さらに大きな違いとしては呼吸への意識があります。アーサナを行うときは、必ず動きと呼吸を合わせます。さらにアーサナによっては息を止めるという技術を利用することがあります。アーサナは単に身体の訓練ではありません。

<Point1>
”ヨガの訓練において、アーサナ(ポーズ)など、エクササイズやストレッチと一見変わらないものもあります。しかし、アーサナはエクササイズやストレッチとは全く別物です。その最も顕著なのが呼吸への意識でしょう。ヨガの訓練において、身体を使うときにも、呼吸への意識が欠かせません。それが無ければ、ヨガではなく、単なるエクササイズやストレッチになってしまうでしょう。”


ハタヨガの訓練は、ヨギーやヨギーニの修練の一部分です。あるヨガ修行者は、それは肉体的な訓練だとし、ハタヨガを批判、そして軽視しするかもしれません。彼らは、スピリチャルな存在を重視し、ハタヨガの訓練は粗大なものだと考えるようです。

ハタヨガは確かに身体(肉体)の訓練の部分が大きいかもしれません。しかし、本当のハタヨガは他のヨガのシステムと同じように、心の重要性を理解しています。

もし、ハタヨガの訓練を、適切な指導者のもので、熱心に行えば、身体を純粋にするだけでなく、イダーとピンガラーといったより微細な部分の調和をもたらします。したがって、ハタヨガの訓練によりヨガの最終的な目標を達成することも可能でしょう。

<Point2>
”ハタヨガは、あくまでも準備的なヨガ、基礎的なヨガと考えられています。しかし、ハタヨガの正しく、適切な実践により、ヨガの最終的な目標を達成することも可能です。”

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