ヨガを極める㊴

定期的なヨガ訓練の重要性

訓練が完璧を作ると言われています。知的に多くの原則を読むことができます。しかし、それらが実践されるまで、現実の経験、もしくはそれらが持つ可能性の現われはありません。

医師は、理論的に学んだことを実践するまで、医師にはなれません。技術者は、指示書を読んだだけで、機械を作ることはできません。最終品は、何度も試されるまでは完成しないでしょう。

ヨガの技術の定期的な訓練は、身体と心にあるパターンを生み出します。何年もの訓練の後、最初の状況に関わらず、完全が達成されます。ハタヨガプラディピカでは、下記のようにこの点が強調されています。

「完璧は訓練の結果である。訓練することなく、どのようにそれが起こるのか。テキストを読むことによってだけで、ヨガにおける完全は決して達成されない。」

真実が存在するところに、幻想や妄想はありません。見かけだけでヨギーになることはできません。他の人をそう信じさせることもできません。内的な強さや理解がなければ偽物だと分かります。

ヨギーのように見せかけることによって、自分自身をだますことはできるかもしれません。しかし、アートマンをだますことはできません。服装などは、力や知識を与えてくれません。それは身体を訓練すること、そして粗大な意識を洗練することによってだけ達成できます。

<Point1>
ヨガは100%実践です。いくらヨガの経典やテキストを読んでも、それには、ほとんど意味はありません。ヨガでは、実践すること、自分で経験することが最も重要です。

ヨガの訓練は秘密にする

教典は繰り返し、訓練、サダナは、誰にも漏らしてはいけないと言います。知識は経験を通してだけで、得ることができます。他の人と、個人のスピリチュアルな経験を分かち合うメリットはありません。

Gorakhnathは、彼の弟子に、ハタヨガは微細な身体の科学だと話しました。それは身体のエネルギーを制御する手段です。また彼は、ハタヨガは2つの主なエネルギーの通路を制御する手段だと言います。陰と陽のエネルギーの性質は、私たち存在のすべての部分に存在します。

ハタヨガは、エネルギーにおいてだけでなく、心の2重性において、そして個人と宇宙の精神の間にバランスをもたらします。それは自己を含みます。したがって、なぜそこに他人をもたらすのか。

Shiva Samhitaでは、訓練者は、彼の訓練を秘密にすべきだと述べられています。ヨギーは、ハタヨガを偉大な秘密にすべきです。秘密にすることで有益なものになります。それが明らかにされると、力を失います。どのような経験や力を授けられても、それは個人的なことです。そして、それは個人で開発されるべきです。

これは論理的で科学的なプロセスです。夜に小さな光が、部屋でともされると、部屋全体が明るくなります。もし、その小さな光が屋外でともされたなら、その光は闇に吸収されるでしょう。同じ原理が、サダナを通して得られる力に適用されます。力は個人の意識を啓発するかもしれません。しかし、外側の世界にさらされると強さを失います。

サダナは種で、シッディは花のようなものです。種から芽を出させるためには、それを土の中に植えなければなりません。もし、それが掘り起こされ、友人などに見せられたら、どのようにそれは芽を出すことができるでしょう。同じように、シッディは個人のサダナが芽を出す地点です。

サダナとシッディを隠すことは、強力な心理的効果があります。もし、達成したことを話してしまうと、エゴの感覚がとても強くなります。「私が達成した。」「私が経験した。」「私はこれができる。」

宇宙の意識を経験したいなら、エゴは最も大きな障害となります。シッディは、決して長く続かず、一時的なものになります。進化のある段階の後、それらは消えていきます。

スピリチュアルライフにおいて、エゴを制御することが、とても大切です。力を獲得した偉大な聖者のほとんどは、それを表しません。とても身近に生活する人だけが、それを知っています。

 

ハタヨガ完成までの期間

スピリチュアルライフにおいて、12年が重要な周期です。精神的な目覚めのため、微細な身体の浄化と準備をする時間が多くかかります。グルと弟子の伝統で、弟子は彼のグルと12年間を訓練のために費やします。ハタヨガプラディピカでは、以下のように書かれています。

「12年間、自己において瞑想し、純粋な食べ物をとり、そしてsiddasanaの訓練をするヨギーは、完成を得る。」

12年間、一つの訓練を行うことは長いように思われます。しかし、資格のある医師や法律家になるために何年もの学習と訓練が必要ということを考慮すべきです。

もし、完成と高次意識の目覚めが達成できるなら、人生全体と比較して、12年はそれほど長くはないでしょう。もし、人々が物質的な目的の達成のために人生を捧げるのなら、高次意識の開発や精神の解放のために、12年間をなぜ捧げることができないのでしょうか。

身体と心が変化するには何年もかかります。7年間の周期後、すべての身体の細胞が、完全に入れ替わります。私たちは、新しい身体を手に入れます。しかし、心を再構築し、意識を作り変えるには、より長い時間が必要です。

ヨガの訓練は、12年間で実を結ぶと言われています。12年間は、身体、心、感情、そして精神のゆっくりとした完全な再構築を可能にします。

ヨガ訓練の成果

ヨガサダナの成果は、何でしょう。

ヨガの訓練を通して、自己実現の獲得ができるでしょうか。もし、ヨガが訓練されれば、その効果から間違いなく利益を得るでしょう。どのくらい得ることができるかは、各個人の能力と実践によります。

自然の法則では、それぞれの活動からの結果があります。もし、身体に蚊が止まっていたなら、手を動かすことで蚊は飛び去ります。これは粗大な、外的な結果です。

しかし、同様に微細な結果、音の発生があります。それは物質と空気の間で行われる衝突で、微細な効果を生み出します。音が生み出されます。しかし、それは聞くことができません。もし耳がとても微細な音を聞くことができる能力があれば、おそらく音が聞こえるでしょう。

同様に、ヨガの訓練では微細な結果が生み出されます。しかし、それは知覚されたり、理解されることはありません。

<Point1>
ヨガの訓練を日々行っていて、あまり効果を感じることがないかもしれません。しかし、それで訓練を止めるべきではありません。ヨガを実践することで、確実に、微細なレベルで、変化が起こっています。それが表に現れるには、時間が必要です。結果は気にせず、日々やるべきことを実践していきます。

ヨガ訓練の理解と実践

サダナの実践には、多くの方法があることを覚えておかなければなりません。ヨガとタントラは、たった2つの古代の教え、もしくは科学です。そこでは、様々な訓練や技術が、個人の生活のそれぞれの段階を知るために教えられます。

訓練は身体、心、そして高次の知識を含みます。しかし、それは放棄者、僧侶、そして聖人によってだけ実践されます。一般の生活者においては、制限されています。

もし、インドで一般の人が、サダナを実践しているかと尋ねられたら、彼は毎朝、神様の前で香を焚き、1つか2つのマントラを唱えていると答えるでしょう。それは、彼のサダナです。しかし、ヨガにおいて、それはサダナの1つの面です。

身体を媒体として、人間は義務などを実行することができます。しかし、この考えは正しく理解されていません。人々は、神に到達するために、身体を媒体として努力すべきだと解釈しています。しかし、それは、どのようになされるのでしょうか。ヨガを通してです。ヨガを実践するとき、彼はヨギーになります。

 

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