ヨガを極める⑩

実践的な訓練

4世紀から6世紀頃に、偉大なヨギーたちがタントラのシステムを洗練し始めました。Matsyendranath、Gorakhnathとその他数名のヨギーが、この重要な科学であるハタヨガが無視され、間違って教えれていることを理解しました。そして彼らは、タントラの儀式的な部分は残し、ハタヨガとラージャヨガの実践的な部分を切り離しました。

彼らが訓練を選ぶとき、タントラのシステムからヨガの実用的で実践的、そして貴重な訓練を取り出しました。このようにハタヨガが確立されました。ハタヨガはタントラ系の技術で、その特徴は非常に実践的だという点です。

ハタヨガの重要な考え

多くのハタヨガの権威者の中で、Swatmaramaは傑出した人物です。彼はHatha Yoga Pradipikaとして知られるハタヨガのシステムの本を編集しました。それは訓練者の身体、心、そして精神の問題の多くに光をあるテキストです。

彼より前に、Matsyendranathの弟子であるGorakhnathが地元の言葉でハタヨガに関する本や詩を書きました。しかしインドでは、原作はサンスクリットで書かれるべきだという伝統がありました。そして、Swatmaramaがサンスクリットでハタヨガの英知全体を編集しました。

Hatha Yoga Pradipikaの素晴らしさは、すべての訓練者が直面するほとんどの問題を解決することです。他の教典でも扱われているシャットカルマ、アーサナ、そしてプラーナーヤーマは議論されていますが、そこではラージャヨガにおけるヤマとニヤマは完全に削除されました。

ヤマとニヤマを訓練するためには規律や自制、そして心のある程度の良質が必要です。私たちが規律や自制を訓練しようとすると、しばしば心に多くの問題を作り出すことになります。もし調和を作り出せないとしたら、自制や規律は心の平安よりも葛藤を生み出します。自制は哲学もしくは宗教的な原則として必ず説明されます。しかしそれは人間らしさを助けることに失敗しています。

ハタヨガの大きな特徴はラージャヨガにおけるヤマとニヤマを完全に取り去った点です。なぜならヤマとニヤマの実践は非常に難しく、それをしようとすると逆効果になるからです。

Hatha Yoga Pradipikaで最初に述べられていることは、Swatmaramaが、ヤマとニヤマのような自己コントロールや自己規制について全く心配していないという点です。自制や規制は身体とともに始めるべきです。そのほうがとても簡単です。アーサナもプラーナーヤーマも規制です。パドマアーサナで15分間座ることも自己規制です。なぜ最初に心を戦う必要があるのでしょう?

ハタヨガではヤマとニヤマと言った訓練は行わず、誰もが比較的簡単に実践できるシャットカルマやアーサナといった身体へのアプローチから始めます。

私たちは心と戦う力はありません。しかし人々はいつも心と戦おうとします。それによって心に反目を作り出しています。ひとつの心は規制を破ろうとし、もう一つの心は規制を維持しようとします。しかし2つの心はありません。ひとつの心がそれ自身を2つに分けようとしているのです。この分離はすべての人に見受けられます。

「心によって心を制御することはできない。」これがハタヨガの基本的な考え方です。「心は何か?」「心にはどのような特徴があるか?」など心および心の作用に関して学ぶことで、このハタヨガの考え方の素晴らしさがより理解できます。

この危険性はハタヨガの権威者やマスターによって明確に理解されています。したがって、彼らは最初に身体を規制せよと言い、そして身体によって意味されることを説明します。彼らは微細な要素とエネルギーの通路を浄化すべきだと言います。彼らはプラーナの動き、神経系全体、そして身体の様々な分泌物が適切に維持され、調和されるべきだと言います。

いつも覚えておかなければならないのは、身体、心、そして精神は3つではなく、それらは1つだということです。存在のひとつのレベルで身体が経験されます。もうひとつのレベルで存在は心として知覚されます。精神は身体とは異なる、身体は精神とは違うと考えるべきではありません。それらはひとつです。この身体の根本は神性です。

ハタヨガのアプローチ

ヨガの最終的なゴールはサマーディのもっとも高い段階の獲得です。最終的に、ヨガのすべての精神的な訓練や系統はこの状態へ導きます。しかし、ゴールに到達する方法はたくさんあります。もし私たちがすべての道を信じ従おうとすれば、最終的な経験を得ることは決してできないでしょう。

ヨガにはたくさんの道があります。しかしそれらはすべて同じ目的地を持っています。どの道を歩むにしても、必ず覚えていなければならないことは、ある道を歩み始めたならその道を歩み続けるという点です。目的地に到着するまで、その道を進んでいかなければなりません。

個々の方法は体系的でなければなりません。カルマヨガ、バクティヨガ、ジュナーナヨガ、禅、もしくはいくつかの組み合わせの訓練を行うにしても、順序立てられたシステムが必要です。システムは最初から最後まで、他のシステムを試したりして、そこからそれることなく従わなければなりません。ひとつのシステムを信じてそれに従った後、少しして他のためにそれから離れていてはどこにもたどり着けません。

ヨガの系統

インドで、ヨガは2つのグループに分けられます。北インドのヨガと南インドのヨガです。南インドヨガはハタヨガとクリヤーヨガです。しかしクリヤーヨガの伝統は今失われています。

北では人々はヨガの様々なシステムを、訓練としてだけでなく生活に取り入れたシステムとして、実践し開発する傾向にあります。彼らはラージャヨガ、バクティヨガ、カルマヨガ、ジュナーナヨガ、そしてクンダリーニヨガを開発し、そして南からクリヤーヨガとハタヨガを取り入れました。

ヨガの聖地として北インドのリシケシが有名です。そこにいけば様々なタイプのヨガを体験できます。