ヨガを極める㉒

スシュムナーナディーの目覚め

クンダリーニの目覚め

なぜハタヨガは、クンダリーニの目覚めのための体系的なプロセスを強調するのでしょうか。

ヨガの訓練によってクンダリーニを目覚めさせるのは、体系的で、段階的なプロセスです。ここで重要な点は、クンダリーニが目覚めると、ハタヨガの訓練の助けで、スシュムナーを通して進んでいくことです。

<Point1>
クンダリーニの目覚めには体系的なプロセスが不可欠です。ヨガの訓練により、クンダリーニが目覚めたとしても、もしスシュムナーナディーが機能していなければ、ヨガの目的を達成することはできません。それは逆に、大きな問題を生み出してしまうかもしれません。したがって、クンダリーニを目覚めさせる前に、ハタヨガの体系的なプロセスを順番に進んでいく必要があります。

 

アーサナ、プラーナーヤーマ、ムドラー、バンダ、そして集中といった訓練を通してだけ、それは完成へいたります。体系的でない、激烈な、そして悲劇的な手段によってクンダリーニを呼び出すことが可能です。しかし、十分で持続した目覚めは、そのような方法で決して起こりません。

眠っているクンダリーニは、毎日の熱心なヨガの訓練によって、忍耐強く起こさなければなりません。シャットカルマの訓練により身体全体が浄化され、プラーナーヤーマの訓練を通してプラーナが制御され、アーサナで身体が不動となった時、クンダリーニの目覚めがリスクや危険なく行われます。

<Point2>
クンダリーニの目覚めのための基礎的な訓練が、シャットカルマ、アーサナ、そしてプラーナーヤーマです。これらを通して、クンダリーニを目覚めさせる準備が整います。

 

しかし、クンダリーニの目覚めに、あまりにも引き付けられる人が、間違った方法で訓練すると危険です。彼らは準備的な訓練をせず、食事を気にせず、シャットカルマやカルマヨガのことを気にしません。彼らはクンダリーニを目覚めさせようとし、この素晴らしいエネルギーを制御する方法を知りません。彼らは暗闇の中でただもがいているだけです。時間と空間、もしくは重力や心の法則は、スシュムナーが目覚めなければ超越することはできません。

Hatha Yoga Pradipikaでは、Yogi Swatmaramaによって、自己制御と浄化の必要性が繰り返し強調されています。なぜなら不純な身体におけるこの力の早期の達成は、想像できない病気を生み出すからです。そして制御されていない、開発されていない心において悪魔のような現われ、そして精神病を導きます。

<Point3>
ハタヨガの重要な経典であるHatha Yoga Pradipikaにおいて、クンダリーニを目覚めさせるための準備の重要性が述べられています。まず行わなければならないのが身体の浄化です。もし、準備が整わずに、クンダリーニを目覚めさせると、精神病などの病気になる可能性があることが示唆されています。

イダー、ピンガラー、スシュムナーの結合

どのように私たちは、イダー、ピンガラー、そしてスシュムナーの結合が行われるときを知るでしょう。

多くの人が光の爆発として閃光を見ます。一方で他の人は、それをゆっくりと強くなる微光として経験します。この光はイダー、ピンガラー、スシュムナーの結合が行われたことを示します。

そして、これがハタヨガの究極の目的です。スシュムナーが目覚めた時、ある経験をします。素晴らしい天使を見るかもしれません。様々な音、音楽、色、考え、アート、詩、そして文字が自然に現れます。

ヨガにおける宇宙の身体との結合

どのようにイダー、ピンガラー、そしてスシュムナーナディーの結合が、宇宙の身体と個人の身体を結び付けるでしょう。

ハタヨガの絶対的な意味を考察するとき、それはスシュムナーのイダーとピンガラーとの結合だと分かります。アジュナチャクラのレベルで、イダーとピンガラーが合流し1つになります。これはとても象徴的で、プラーナと意識の違いが壊された段階です。それらが1つ、同じものとして経験されます。イダーの原理がピンガラーの原理と統合され1つになります。

<Point1>
ハタヨガの目的は、イダーとピンガラーの浄化を通して、最終的にスシュムナーを目覚めさせることです。スシュムナーの目覚めは、イダーとピンガラーのレベルを越えていくことと考えることができます。それはプラーナと意識の超越です。アジュナチャクラにおいて、イダー、ピンガラー、そしてスシュムナーが統合されます。

 

言い換えれば、それはマクロの世界のプラーナの力と、ミクロの世界の精神的な力との結合です。したがって、ハタヨガの訓練は根源的な目的地に私たちを導いてくれます。プラーナとクンダリーニは同意語です。プラーナの目覚めは、クンダリーニの目覚めです。そして、クンダリーニの目覚めにおいて、私たちは宇宙のプラーナと一体になります。

イダーとピンガラーは地球のエネルギーを導きますが、スシュムナーにおけるエネルギーの流れは宇宙のものです。プラーナと心のエネルギーは有限ですが、スシュムナーの宇宙エネルギーは無限です。したがって、ハタヨガの主な目的は、この制限された身体と無限の源を結び付けることです。

<Point2>
私たちの身体と心は有限なものです。しかし、ハタヨガの訓練を通して、イダーとピンガラーをスシュムナーナディーと統合することができれば、私たちは宇宙の無限の力と結びつくことができます。それは個人と宇宙との結合です。

 

クンダリーニの目覚めのとき、身体の困った状態は無視されません。クンダリーニが起きるとき、その影響は身体全体に広がります。それは脳だけでなく、循環器系や呼吸器系などのシステムに影響します。

したがって、初期段階でハタヨガは身体の浄化を適用します。これはハタヨガが身体のヨガではないという理解を与えます。ハタヨガは身体を重視し、そこから訓練を始めますが、それで終わりではありません。ハタヨガの本質は、身体よりも微細なプラーナのレベルにあります。

<Point3>
すでに見てきた通り、クンダリーニの目覚めのためには準備が必要です。そのためにハタヨガでは最初に、シャットカルマにより身体を浄化していきます。その後、さらにアーサナやプラーナーヤーマの訓練を行い、より微細なプラーナへとアプローチしていきます。

 

ハタヨガは、肉体的な身体において実行されるより高いレベルの訓練です。6つの浄化法、アーサナ、プラーナーヤーマ、ムドラー、そしてバンダが身体のヨガとして考えられるべきではありません。

クンダリーニの目覚めは、個人の身体で起こります。しかし、個人の身体は宇宙の身体の部分です。マクロの宇宙におけることはミクロの宇宙でのことです。イダーとピンガラーは、ShivaとShaktiとして知られています。それらは宇宙のイダーと宇宙のピンガラーです。

これら3つの結合は、トラータカやシャンバビムドラーのような技術を伴うアジュナチャクラでの集中によって作られます。この結合が起こると、光のスイッチがオンになるように、効果が生まれます。その効果は、jnana(高次の経験)、もしくは悟りと呼ばれます。その効果は結合の結果です。結合は、訓練が体系的になされた結果です。これは個人の身体と宇宙の身体において起こります。

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