ヨガを極める④

ハタヨガの目的

なぜハタヨガを行うべきか?

ヨガは自己修養の完全に実践的なシステムです。ヨガは実践的なものであるがゆえに、その理論や知識を蓄えるだけでは、ほとんど意味がありません。ヨガは実践が100%といっても過言ではありません。

ヨガの訓練により、身体や心などの調和的な開発を達成します。ポイントは身体だけでなく、心も含まれている部分です。すでに何度も見てきた通り、身体はあくまでも準備的なもので、本当の目的は心にあります。

<Point1>
”ヨガにおいて、最も重要な考えの1つが、ヨガは100%実践だということです。したがって、ヨガに関する知識をどれほど蓄えても、それはヨガではありません。インドまで行き、有名なヨガの指導者から教えを受けても、それを実践しなければ意味がありません。ヨガは実践して初めてヨガと言えます。”

 

ヨガの知識や技術は科学で、聖者たちによって使われたヨガ訓練のシステムです。それは健康、長寿、強さ、そして活力を得るための実践的な方法を与えてくれます。ヨガは道徳性、集中、そして様々な精神的なパワーを引き出すのを助けます。

ヨガと言うと、その哲学的な部分は、一見なにかの宗教かと感じられるかもしれません。確かにそういった一面もあります。しかし、覚えておかなければいけないこと、それはヨガは科学だということです。例えば、ラージャヨガは心の科学と呼ばれることもあります。

<Point2>
”多くの人が勘違いしているかもしれません。ヨガは、スピリチュアルなものというより、それは科学です。したがって、正しく実践すれば必ず期待される効果、結果を得ることができます。思うような結果が得られない場合、それは正しく行っていないからです。ヨガのルールに従い実践していけば必ず目的が達成できます。”

 

ヨガの目的は身体ではありませんが、ヨガの訓練によって健康になります。健康になることはヨガにおいても非常に重要です。健康なくしてどのように生きることができるでしょうか。健康でなくてどのようにヨガの道で成功できるでしょうか。ハタヨガの訓練で健康になりましょう!

さらに、ヨガの実践において、健康になるためにヨガを行うのではなく、より高い目標、本来のヨガの目標を持って訓練を続けることが重要です。そうすることで健康を目的にするよりも、より健康になれます。

健康になろうとしないほうが健康になれます。これは私たちの心に関係することで、心とは何か、心や心の作用にはどのような特徴があるのかを理解すれば、その答えが分かります。

<Point3>
”多くの人が美容や健康のためにヨガを行います。しかし、ヨガの本来の目的は美容や健康ではありません。実際、ヨガを実践すると健康になります。なぜなら、身体の健康はヨガの目的を達成するために非常に重要な基礎だからです。したがって、ヨガの初級レベルのクラスでは、まずは身体を強く柔軟にする訓練から始まります。”

”身体が健康になったからといってそれで終わりではありません。さらに、プラーナーヤーマや瞑想など、より高度な訓練を続けていきます。結果として、身体だけでなく、私たちの存在全体が調和していきます。身体という点では、完全な健康を獲得できます。”

”ハタヨガを実践することで、身体が健康になり、さらに、上級レベルのヨガ訓練の準備が整います。”

ハタヨガの目的は何か?

元々、ハタヨガには、netidhautibastinaulikapalbhati、そしてtratakaという6つの技術だけがありました。これらは、シャットカルマとして知られている浄化技術です。

後に、アーサナやプラーナーヤーマといった訓練が徐々に組み入れられました。したがって、ハタヨガはシャットカルマから始まったと考えることができます。言い換えると、ハタヨガは、浄化の技術だと考えることができます。

シャットカルマの目的は、身体と脳、脳と心、心と精神の完全な調和を生み出すことです。それはラージャヨガの最終的な訓練に必要な準備となります。

ハタヨガのシステムでは、シャットカルマが最初に来て、その後アーサナ、プラーナーヤーマと続きます。したがって、シャットカルマはアーサナとプラーナーヤーマの準備と考えることができます。

<Point1>
”現在、ハタヨガの実践において、忘れられているのがシャットカルマです。しかし、それは非常に重要です。シャットカルマなしに、アーサナ(様々なポーズ)を行っても、効果的ではないかもしれません。何年もアーサナを実践している人が、健康になれない原因は身体が汚れているからかもしれません。その場合は、まずはシャットカルマにより身体を浄化していく必要があります。”

”シャットカルマは、ヨガの最初に行う非常に大切な技術です。”

ヨガによる自己実現

ただ健康のため、身体を整えるためにハタヨガの訓練を行う人は、正しい意図でこの科学を使っていないので、ラージャヨガの道で進歩することはありません。彼らは、統合された意識からの内的喜びを得ることはできません。

訓練者はナディス、プラーナ、そして心への繊細な影響を知らなければなりません。身体はあくまでも準備で、それを目的にしてはいけません。目的はプラーナ、そして心というより微細なレベルにあります。

<Point1>
”ヨガを美容や健康のために行っても問題ありません。実際、それは美容や健康に素晴らしい効果があります。しかし、ヨガを美容や健康のためだけに行うのは、非常にもったいないことなのです。それは、身体といった表面的な部分だけでなく、私たち存在のより微細な部分、さらに私たちの潜在的な部分にも効果を発揮します。そして、より高い目標をもってヨガを実践したほうが、身体にとってもより高い効果が期待できます。”


ヨガにおける自己実現には必要なことがあります。最初は、身体に蓄積した毒素の除去です。次に、アーサナの訓練で柔軟で強い身体を獲得します。プラナーヤーマの訓練で、軽い身体になります。

プラチャーハーラの訓練で忍耐力を養います。ディヤーナを通して直接的な知覚を開発します。最後は、サマーディにより人生のあらゆる出来事に対して動かない態度を達成します。

<Point2>
”ハタヨガの実践において、パタンジャリの八支分と同じように、実践すべきプロセスがあります。まずはシャットカルマから始まり、アーサナ、プラーナーヤーマと続き、最後にサマーティに至ります。”

”次から次へと、新しい技術を試しても意味がありません。ヨガの決められたルールに従い、1つの目的が達成できるまで、同じ基礎的な訓練を繰り返していくことが肝要です。このプロセスは、ヨガの実践を効果的にするために必須です。”

ハタヨガと健康

ハタヨガは、通常アーサナ(ポーズ)の訓練だと考えられることがあります。しかし、それには、より深い目的があります。

ハタヨガは、身体を制御し、心を導くエネルギーを調整し、管理します。多くの方がハタヨガは、身体の訓練だと考えていますが、それは心と非常に密接に関係するプラーナの調整と制御を重視します。

<Point1>
”一般的に、ハタヨガは身体のヨガと考えられているので、ハタヨガで重視するのは身体だと思われています。しかし、ハタヨガで重要なのは、身体ではなく、プラーナです。身体はあくまでも準備的なものだと考えます。ハタヨガの中心はプラーナです。”

 

身体を見た時、そこにはエネルギーを見ることはできません。しかし、私たちは単なる身体(肉体)だけの存在ではありません。私たちは、より微細な身体をまとっています。

ヨガでは、Annamaya kosha、Pranamaya kosha、Manomaya kosha、Vijnanamaya kosha、そしてAnandamaya koshaという5つの身体があると考えます。Annamaya koshaが最も粗大で、Anandamaya koshaが最も微細なレベルです。

ハタヨガは特に身体、プラーナ、そして心における障害を取り除くことで、身体の完全な健康を達成します。

<Point2>
”ヨガの考えでは、私たちの存在は、5つのレベルがあると考えます。そのレベルは最も粗大なものから最も微細なものまであります。私たちが普段感じることができるのは5つの中で、最も粗大なレベルだけです。しかし、ヨガでは、私たち存在のすべてのレベルへアプローチしようとします。”

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