ヨガを極める60

アーサナと高次意識

アーサナは、どのように意識のより高い状態へと心を導くでしょう。

すべての人が、自分の性質が、基本的にtamasic、rajasic、もしくはsattwicかによって、個人的な要求を持ちます。より高い経験を獲得するために、心は完全に集中しなければなりません。

Siddhasanaの瞑想姿勢とプラーナーヤーマだけを訓練することによって、意識のより高い状態が呼び起こされます。最終的に、心が静まり、身体が長時間の瞑想に適応するとき、あなたが必要なのはsiddhasana、達人のポーズです。

しかし、tamasicもしくはrajasicの部門に属する人たちは、プラーナと意識の能力を高めるために、一連のアーサナと他のヨガの形態を訓練する必要があります。もし、心が基本的にtamasicかrajasicなら、表現の適切なはけ口が必要です。さもなければ、瞑想訓練の間、鈍く、そして眠たくなる、もしくは、心があちらこちらへさまよう、混乱を招くでしょう。

もし、あなたがsiddhasanaを行い、プラーナーヤーマの訓練をするなら、2つのプラーナの力、apanaとpranaが出合い、そしてアジュナチャクラで、イダーとピンガラーが結びつく段階に来ています。その時、心は統合され、呼吸が止まります。

しかし、心は、精神的なシンボルのような、集中する明確な点を持たなければなりません。さもなければ、それは虚空の状態に入るでしょう。単に、アーサナや呼吸を止めることではなく、より高い経験を生み出す様々な要素の組み合わせが重要です。

プラーナーヤーマと心

どのようにプラーナーヤーマは心へ影響するでしょう。

プラーナーヤーマの訓練をすることによって、心のエネルギーを高め、思考の制御を開発することができます。これは集中と瞑想に役立ちます。それは心を安定させます。それはsattwaを覆う、rajasとtamasを取り除きます。これは、心における不純物を燃やします。

プラーナーヤーマの訓練によって、心は、徐々に粗大から微細へと変化していきます。ナディーが純化されます。心は安定し、それによって、集中に適した状態になります。

心の不純物は、プラーナーヤーマによって綺麗にされます。ハタヨギーはプラーナーヤーマを通した呼吸の制御によって、心を集中しようとします。

<Point1>
プラーナーヤーマは呼吸を使った技術です。そして、それによりプラーナを調和していきます。さらに、心の状態をより純粋に変換していきます。

プラーナの制御

ハタヨガでは、なぜ心というよりもむしろ、プラーナを制御することに集中するのでしょう。ハタヨガのテキストは、プラーナを制御することによって、心は自動的に制御されると明確に述べています。

プラーナと心は、お互いに影響を及ぼし合っているようです。プラーナが動き回るとき、それは心へ影響し、その逆もまた同様です。

ある人はプラーナを制御するよりも、心を制御するほうがより簡単だと考えます。しかし、ほとんどの人は、心によって心を制御することはできません。そうしようとすればするほど、よりそれができなくなります。

時々、健全さや集中を感じますが、それは毎日ではありません。したがって、ハタヨガの創始者たちは「心について心配するな。それを無視しろ。プラーナーヤーマの訓練をせよ。」と言いました。プラーナーヤーマの訓練を正しく行うことによって、心は自動的に征服されます。

<Point1>
ハタヨガの重要性、そして、その意義の理由が述べられています。これを理解することで、ハタヨガが単に身体のヨガではないことが分かります。

残念ながら、これは非常に重要なのですが、ヨガインストラクターを含め、多くのヨガ実践者が理解していないことです。ほとんどのヨガインストラクター養成講座で、このことが教えられていないのでしょう。

プラーナーヤーマの効果

心のエネルギーにおけるプラーナーヤーマの効果は何でしょう。

ヨガの見方からだけでなく、科学的な観点から、物質は圧縮されたエネルギーです。この身体は、圧縮されたエネルギーです。木材や金属は圧縮されたエネルギーです。すべてがエネルギーの一形態です。

Pranayamaの言葉上の意味は、プラーナの増強です。Pranayamaのもう一つの意味は、プラーナの流れの制御と、それを導くことです。

エネルギーが、満足や幸せを与えてくれない感覚の無駄な要求において浪費されるとき、私たちは持ちこたえます。そして、何かほかのものに意識をそらせます。これは対象と感覚との関係を抑制することです。

プラーナの力が引っ込められると、感覚は弱くなり、そのとき心における対応する部分もまたその力を失います。強い欲望が、散らされ弱められます。その執拗(しつよう)な面が失われ、単なる管理される欲望になります。

プラーナーヤーマを通して、プラーナの力の微細な流れを作動させることができます。そして、プラーナの力が目覚めると、身体の生命力が心の生命力と調和します。

プラーナーヤーマの目的は、プラーナの力と心を融合させることです。これは心を物質の、そして粗大な同一視から自由にします。微細なプラーナが心として知られています。

<Point1>
プラーナーヤーマの最も重要な効果は、心とプラーナの力の調和です。そして、それはハタヨガで最も重要な技術だということができます。

カパラバティとエネルギー

カパラバティは、身体、プラーナ、そして心のエネルギーに影響するでしょうか。

メンタルボディとして知られる意識の面は、プラーナーヤーマの技術であるカパラバティ、シャットカルマ、そしてトラータカを通して経験されます。

ナディスが浄化されるにつれ、意識もまた感覚と物質の世界にそれを縛り付ける足かせから自由にならなければなりません。カパラバティは、この目的のために使われます。カパラバティを訓練する理由は、散乱する心のエネルギーを集中すること、そして心の毒素を取り除くことです。

アジュナを目覚めさせるのは、カパラバティではありません。しかし、様々なチャクラの目覚めを助けるプラーナーヤーマの訓練を正しく行うことができるとき、その反応が起こります。カパラバティは神経を刺激します。その結果、ナディス、そしてプラーナを活性化します。

一般的に知られ訓練されているカパラバティとは違った種類のものがあります。それの目的は、身体におけるプラーナのエネルギーを高め、それをアジュナチャクラに集中することです。このプラーナのエネルギーが、アジュナチャクラに集まると、それは他の精神の中心を目覚めさせます。

カパラバティの訓練は、最初の3つのコーシャに影響します。それは身体の動き、呼吸のプロセス、そしてバンダとムドラーを使うことから始まります。その目的はプラーナのエネルギーを目覚めさせることと、心の活動を静めることです。

ヨガの考えによると、身体、心、そしてプラーナのバイオリズムがあります。これら3つの波がある点に到達すると、コーシャが調和します。この調和はクリアな心、考え、そして表現、高まった神経、感情、そして心のエネルギー、健康、そして、心のリラクゼーションの形で経験されます。

カパラバティの訓練のとき、これらのリズムの知識がプラーナと心の状態の深い気づきを与えます。カパラバティは、肉体レベルに影響することによって、経験、神経システムの入出力、そして脳を変換することによって、心の状態を制御するのを助けます。

ハタヨガにおいて、カパラバティは、心の完全な集中状態を達成するために訓練されます。カパラバティの訓練は、プラーチャーハーラの状態と比べられるかもしれません。

プラーチャーハーラにおいて、私たちは心を外的なものからそらし、一点に集中しようとします。そして、ダーラナの訓練において、私たちは集中力を高めようとします。カパラバティにおいて、プラーチャーハーラのように、私たちはannamaya、manomaya、そしてpranamayaコーシャの影響を和らげようとします。

ムドラーと心

サンスクリット語のmudraは、態度、もしくは身ぶりと訳されます。態度は、身体における心、心における身体を反映する何かです。少し観察すると、歩く、座る、活動するなどの仕方によって、心の状態について、多くを知ることができると分かります。

おびえている人は、怒っている人と違って、静かに歩きます。この身体の言語は、annamayaコーシャと他のコーシャの間の、ナディスのネットワークを通した継続的なコミュニケーションです。単なる手の動きでさえ、微細な身体に対応したものです。

タントラは、ムドラーのシステムの中に、この知識を開発しました。ムドラーは、身体全体の位置、もしくは指一本の位置かもしれません。しかし、その効果は、パンチャコーシャのすべてのレベルに送られ、適切な信号が粗大から微細へと転送されます。

コーシャを通した、この情報の流れは、2つのプロセスがあります。意識の警戒した状態を経験している人は、自然にムドラーを行うように知らされます。反対に、私たちはシグナルを逆にし、ムドラーを適用することによって、メッセージを心へと送ることができます。

その効果は、非常に微細なものです。親指と人差し指をつけることによって、意識の変化を知覚するには高い感受力が求められます。しかし、訓練で心は、このシグナルに適応するようになります。この手の位置が用いられるとき、瞑想のためのシグナルが送られます。

プラーナと心の安定

プラーナと心を安定させるために、勧められる訓練は何でしょう。

アーサナの訓練によって、身体は安定し、そして強くなります。アーサナが確立されると、身体は安定します。アーサナの訓練によって、annamayaコーシャにおける安定と強さが獲得されます。

心は、最初絶えず動いています。そして、それはプラーナと同じです。賢者Gherandaによれば、安定は最初、ムドラーの訓練を通して獲得されます。ムドラーの目的は、心の不安定さを制御した後、絶えず動くプラーナを止めることです。プラーナの力は、穏やかで静かにしなければなりません。

安定性は、揺れ動く心とプラーナの制御を意味します。身ぶりは、プラーナのエネルギーが集中する身体の状態として理解されます。プラーナと心の両方の制御されていない活動は、ムドラーで安定します。ムドラーの訓練で、心は素早く集中し、内側へ向きます。

プラーナの様々な形を理解する必要があります。プラーナの一つの形は、パンチャプラーナ、prana、apana、samana、udana、vyanaにおいて観察されます。もう一つの形は、チャクラにおいて観察されます。チャクラとパンチャプラーナに存在するプラーナは、プラーナの2つの異なった状態です。パンチャプラーナの経験は、チャクラにおけるプラーナの力の経験と比べて粗大な状態です。

賢者Gherandaは、粗大な、そして微細なプラーナの過程と経験を、バンダ、ムドラー、そしてダーラナの訓練を通して、意識の制御下におきました。プラーナの意識的な制御がないかぎり、エネルギーを意識的に目覚めさせたり、生み出したりすることができません。

したがって、プラーナのスムーズで制御された流れのために、彼は心を一点に集中し、外的な落ち着きのなさを止めるために、最初にムドラーの訓練をすることを主張しています。

プラチャーハーラは、一連の流れの次にきます。彼は、プラチャーハーラによって、心の安定性と忍耐力が獲得できると説明を続けます。忍耐力は心のエネルギーを制御すること、そして心の集中によって達成されます。Manomayaコーシャを制御し、自分自身に調和をもたらすために、最初、心の一点への集中を獲得することが重要です。

これに続いて、プラチャーハーラの訓練が議論されます。そして、活動は、プラーナーヤーマを通して、プラーナの別の領域へ入っていきます。これは粗大なと、微細なプラーナの意識的な制御の後に達成されます。プラチャーハーラとプラーナーヤーマの訓練とともに、活動は落ち着きのなさが制圧されたときにやってくる、別の状態へと心を導きます。

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